私が訪問理美容で歩んできた
10年間を振りかえってみますと
沢山の出会いと沢山の別れがありました。
そう別れです。
特に介護業界の方はよくわかると思いますが
介護分野に近い訪問理美容にお別れはつきものです。
貴重な経験や体験を、世に語らず形に残さぬまま
去ってしまわれる事をとてももったいなく思います。
私は沢山の方と出会い沢山のお話を聞かせてもらいました。
カットをしているあの時間ってなぜか特別で込み入ったお話も
良く聞かせてくれるんです。
(逆に全然話さなくなる方もいらっしゃいますが。)
2,3度担当すると、その方の得意な話、
教えたい事、辛かった時代、楽しかった時代の話など
いくつかレパートリーが出て来るものです。
その中から私が聞きたいお話をリクエストすると
喜んで話してくれます。
中にはどうしても悲しかったお話になってしまわれて
涙を流される場合もあります。
それはそれで貴重なお話として聞かせてもらっています。
悲しい系のエピソードといえば、
やはり戦争時の体験談が多くみられます。
現代では、想像できないようなことが当たり前に起きていた時代。
戦争についての話は長くなるので今回はかきませんが
実際に体験された方々のお話はとてもリアルで迫力があります。
戦地では、空腹に耐えながらの任務や長距離移動
敵軍のみならず、虫やヒルの襲撃、友人や仲間の死など。
様々な状況下で生き延び、そして生還し現在も懸命に
生きておられる。
本当にすばらしいことだと思います。
本土でも、食料が乏しく食べ物の調達に大変苦労したお話などです。
闇市への道中に、憲兵なるものに見つかりせっかく手に入れた食料を
没収され、涙を流しながら帰る親子の姿。
海で捕れたタコを闇市へ売りに行く道中、
赤ちゃんをおんぶしているかの様に見せかけ、
汽車の中で憲兵検査をすり抜けたドキドキのエピソードなど
本当に様々です。
このブログでは私がお聞きしたエピソードを
時々ご紹介して行こうと思います。
それではまた
